さて、記念するでもない第一回目のThoughtです。
ここでは私の考えの一部をみなさんにお伝えできたらと思っております。
今回は「本」について。

多趣味で飽き性なわたくしですが、読書は幼い頃からの習慣でもあり、私の今までの1000年の生涯を通した趣味でもあります。ジャンルは様々ですが、特に海外作品についてはいくつか思い入れのある作品があります。日本文学についてもお薦めをご紹介しつつ、進めていきたいと思います。
中学生の頃通っていた学校は、私立ということもあってか一つのフロア丸々が図書館でした。見渡す限りが本棚に詰め込まれた本・本・本!読書が好きな私には正に天国、まさに楽園。日々通い詰めては、表紙やタイトルを見て中身をさらっと読み、気に入ったものを持ち帰って、帰りの電車の中で読んだりしておりました。
その中でも印象に残っているのは、たつみや章さんの「月神」シリーズ。縄文・弥生時代が舞台の児童文学作品ですが、本当に面白い。ファンタジー要素が物語のほとんどを占め、児童文学ゆえに読みやすいので、事態についての知識が無くてもさらさらと読めます。
そして次に、吉屋信子さんの作品。90年代初頭に流行った「エス」という女性の同性愛をテーマとした作品が殆どであり、少女文学ゆえに文体も美しい日本語で綴られています。(読書にあまり慣れ親しんでおられない方には少し難解な文体かも知れません。また、吉屋さん自身も同性愛者であり、女性のパートナーがおられたようです)当時、憧れの同性の先輩がいた私にとって、そのエスの世界はかなりの影響力でした。少し錯覚していたかもしれません。
中学生までは質より量の読書生活でした。それ以降はネームヴァリューに惹かれるがままに、海外作品に傾倒しました。特に影響を受けたのは、ゲーテの『若きウェルテルの悩み』とトルストイの『人生論』とヘッセの詩集でした。ウェルテルとヘッセ詩集は、当時の若さゆえの揺れやすさ――まさに「疾風怒涛」の感情の波!――に同調し宥めてくれた作品なので、とても助けてもらいました。『人生論』は、淡く信じていた人道主義の生き方を明確に言葉にしてくれた本でした。後半はキリスト教について書かれていますが、「人はどのようにして生きるのがいいのか」「生命とは何か」などなど、人生において誰もが一度は考える哲学的テーマについて書かれています。文章は難解だと言われることがおおいですが、ウィトゲンシュタインなどに比べれば、例えも多く親切な作品であります。

さてさて、一気に、そしてなるべく簡潔に推薦図書を並べ立てたわけですが、少しでも良さが伝わりましたでしょうか・・・。私の稚拙な文章ではその内容や魅力を十分にお伝えすることが出来ないでしょうから、一度お手に取り、読んでみてくださると嬉しいです・・・。


今回はここまで。

2013.6.13. 黒田薔子










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